TOP > 技術情報
【ナノキャスト法の特徴】
(1)半凝固スラリーが非常に短時間で生成可能。
(2)従来より微細な組織のため、高強度・高靭性・高耐圧等にも優れる。
(3)溶湯に比べて低温度のため、熱負荷が減り金型の寿命が従来より長い。
(4)半凝固スラリー製造装置は小型で軽構造のため、従来より省スペース・省エネ。
半凝固ダイカスト | ナノキャストの特長 | ||
従来製法 | ナノキャスト | ||
金属組織の結晶粒 | 100μm | 約50μm | 高強度・高靭性に優れた製品が得られ、 高品質薄肉精密ダイカスト分野への 用途拡大が期待(高品質化) |
スラリー生成時間 | 120~300sec. | 5~40sec. | 大幅な時間短縮により生産性アップ (高稼動化) |
使用材料 | AC4CHのみ | 多様特性 | コスト低減、品質安定の確保が可能。 機能に合わせた材料選定が可能。(低コスト化) |
溶解保持路 | 再生不可 | リターン可能 | 材料のリターンが可能になり低コスト化 (低コスト化) |
装置 | 大規模 | コンパクト | 初期設備投資のコスト削減が可能 (小スペース化) |
●油圧部品の切断写真
ナノキャスト鋳造試作品。
鋳造条件として真空装置、温度調も使わずに全くの普通鋳造を行っています。
ナノキャスト鋳造試作品。
鋳造条件として真空装置、温度調も使わずに全くの普通鋳造を行っています。
●拡大写真
ガス巻き込みが少ないことがわかります。
ガス巻き込みが少ないことがわかります。
ADC-10を用い、注湯時の溶湯の温度680℃~740℃の範囲でスラリー生成の実験を行いました。
いずれの温度でも半凝固スラリーが生成されました。
半凝固スラリーの確認は、簡易法としてカップから取り出されたスラリーをナイフでカットしています。
得られたスラリーは約30secの間はきれいにナイフでカットをすることができ、外側と内部がほぼ同一の固相率の半凝固スラリーと考えられます。
ナノキャスト応用ダイカスト技術で薄肉精密製品を製造する場合に重要な事は、最適な半凝固状態のアルミニウムをいかに短時間で生成できるかと言う事と、それぞれの半凝固状態の湯流れに応じた金型を如何に設計するかです。
弊社は積極的な研究開発を継続して行い、軽量小型で省エネ、省スペースの半凝固スラリー生成装置を開発しました。
鋳造シュミレーションシステムを用いて湯流れ解析を行い、その結果を反映させた薄肉・精密製品用鋳造金型の最適化が可能になりました。
●粒状組織(AC4C)
※(株)ナノキャスト資料より
※(株)ナノキャスト資料より
●スラリーの製造方法
これらはナノキャスト鋳造の試作品の例です。
近畿経済産業局 地域産業資源活用事業計画 認定・採択事業「ナノキャスト法を用いた高品質ダイカスト部品の開発と販売」の補助金を活用し、東北大学工学研究科、中小企業基盤整備機構の協力を得て製作致しました。
レンズ部品試作品
LEDヒートシンク
LEDヒートシンク
LEDヒートシンク ケース付
メッシュ試作品(0.3mm)